※番外編「7日目」の事後だと思ってくだしい
「ケイ!はい、ケイの分のおやつ確保しといたよ。どうせ昨日の夜の分はウボォーの腹の中に消えたんだろ?」
ビスケット4枚が詰まった小袋をケイリュースに差し出し、シャルナークが人当たりの良いいつもの笑顔で微笑みかけてくる。
ウボォーギンの右腕に縦抱きにされながら、ケイリュースもまたニコニコとそれに笑顔を返して、高い位置から片手を伸ばしてビスケットを受け取った。
「ふふふ。シャルナーク…。アリガト…。やさしい、しゃるなーくわ、優しい、気のツクはー、イイデスネ!ワタクシ好きデス」
「そう言ってもらえるとオレも嬉しいよ」
自身を差し置いて楽しそうに笑顔のやり取りをするケイリュースとシャルナークを、ウボォーギンがどこかムッとした表情で見下ろす。
少し前まで部屋でベッドでケイリュースと2人きり、たっぷりと気持ち良く楽しんでせっかくイイ気分でいたのに、広間に戻ったとたんにこれだ。
シャルナークから少しでも遠ざけようと無意識が働いたのか、縦抱きのケイリュースの尻を改めて抱き直し、それによって自身の胸板へと寄ってきたケイリュースの頭にウボォーギンが囁く。
「覚えとけ、ケイ。コイツのは『優しい』んじゃなくてマッチポンプっつーんだ。騙されんじゃねーぞ?」
「…う?まっちぽっぷ?うぼーぎんはソレ…、は、何デス?」
初めて聞く言葉なのか、壊れた頭から抜けてしまった言葉なのか、盛大にハテナを頭上に掲げてケイリュースがウボォーギンをきょとりと見上げる。
「周到にテメーで罠にハメた女を囲い込んで逃げ道失くしたうえで、こーしてさりげなく優しくして落としてくんだぜ。同時進行で5股とか普通だしよ。お前も気ぃつけろ?」
「ひっどいな!今日はそんなつもりじゃないし、聞こえてるからね!」
「ふふん?そうか?」
お前のやり口は知ってんだぜ?とニヤニヤ茶化すように口角を上げながら、ウボォーギンがシャルナークを見下ろす。
ケイリュースはというと少し理解に時間がかかるのか、ウボォーギンとシャルナークのやり取りをぽかんと口を開けたまま何度か視線を行き来させてから、突然思いついたようにピコリとエクスクラメーションマーク!を発見した。
「ワタクシ!ワタクシ知ってイル、それ、知るデスネ!まっち…マッチ、火…ツケ、自分の…で、消すスル。女のヒト落とす…の手口なの。ワタクシのミンナ、のもスルのおとこ居タ。
デモー、それは、イツモ、上手いいくナイ…、よくワタクシ笑うもシタ、ある。シャルナークは、上手いデス?マタの…5マタ、は、モテモテの…、スゴイシテルデスネ!うヤラましい。ナンデ?…顔?」
「ハハハハ!なんだよ『顔?』って!たしかにシャルの奴は女好きのする顔してるけどよ。いろいろとマメで器用だしなw」
「マメ…。おマメ、なのスルと、モテデス?ドコ差がモテなるの…、わからないワタクシ…。まっちぽぷん難しデスネ」
「おう、そうだなw」
ガハハ、となぜか上機嫌に笑い出したウボォーギンに釣られたのか、しょんと少し俯いたケイリュースもまた顔を上げ、「フフフ」と笑い出し目を細めた。
それに対して今度はシャルナークの方がムッと面白くなさそうに口を引き結んでいた。
「ってかさー、オレの事そういう悪いふうにケイに吹き込むのやめてくれる?本気にしちゃうだろ、今のケイだと」
「いいじゃねーか、こっちは褒めてやってんだぜ。それともある事ない事、ワリー事これから色々吹き込んでやろうか?」
ニヤリと悪い笑みで腰を折って、シャルナークに顔を寄せるウボォーギン。
「何言うつもりか知らないけど絶対やめて;」
ケイの頭だとホントに信じちゃうからさー、と降参して両手を挙げるシャルナークを見て、改めてウボォーギンはハハハッ!と大きく笑う。
ケイリュースはウボォーギンのその勝ち姿に、なんだかよくわからないが『楽しそう』とばかりにニコニコ顔でパチパチと拍手を送った。
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3人でわちゃわちゃさせるのが好きです
すもも