セリフお題03 ◆「俺だったら自分に似た顔の奴なんて絶対愛せない」
※ご注意※

拍手お礼夢・アンティークショップ「リアラ」設定でクロロ×双子兄の裏夢です。
冒頭から性描写を含んでおりますので、苦手な方はメニューへ即逃げお願いします。

では大丈夫な方のみどうぞ。










「ん…あ…クロロさん…」



キシキシとベッドの軋む音。


そして、この世で一番愛しい双子の兄の―――オレではない他の男と愛し合う控えめな喘ぎ声とが…、小さく耳に届いている。


中になんて足を踏み込めるわけなどなく…

オレはただ黙って、兄さんの寝室の前でその声に耳を傾けていた―――







「ふ…ッあ、あっ……ックロ…、クロロさ…、くるし…っ、そんなにしないで…! …ぁあッ」

「ッ…、そうかな?その割りにはすごく良さそうに見えるけど。ゼロだってこういう方が好きだろ?」

「んっ…んふっ…、そんな…のっ!僕、一言も言ってない、ですぅ…」

「ゼロの身体が言ってるよ?…ホラ、好きだろ?ココとか」

「ひゃ…、はぁ、ア…ッ!……うぅ〜!クロロさんのバカァー…」


足を拡げ、二つ折りにされる勢いでベッドに組み敷かれていたゼロ。

白い足を小刻みに震わせながら、クロロの――目にかかる程度の長さの黒髪をさらりと揺らすその男からの快楽を享受していた。


途中、グスグスと泣き出すゼロを見、「少し虐めすぎたかな?」とクロロは微笑する。

そしてゼロの中に自身を埋め込んだ状態で、一度動きを止めた。


「ゼロ……、大丈夫か?ゼロ…」

「はぁ、あっ…、んっ、…ひっく、」

「ごめん、本気で泣かせちゃったみたいだね」

「ふ…、く…クロロさんは…、時々僕にひどいです…」

「ゼロの泣き顔が可愛いから時々無性に虐めたくなるんだ」

「そんなの……綺麗に微笑って言わないでください…」

「ハハッ、ごめんごめん」


そう言って、クロロはチュ、とわざと音を立ててゼロの胸元にキスを落とす。

そうしてからゆっくりとゼロの片足を持ち上げた。


「あぅ…!ん、ふぇ…あ?クロロさん…?」

「後ろ向いて、ゼロ。こっちの方が気持ちいいから」

「え…、だ、だって…そんなの恥ずかしいです…」

「そうかな?今でも十分恥ずかしい格好だと思うけど?」

「ううう…」


今にも泣きそうなほど顔を真っ赤にしながら、ゼロはクロロに言われるままにモゾモゾと体勢を入れ替えようとする。

身体を捩るたび、奥まで押し込まれたクロロのモノが中を擦る感覚に身を震わせながら。

後ろの男に差し出すように下半身を高く上げ、恥ずかしさからゼロは顔を枕へとうずめてしまう。

細い腰に手を添えるとゼロの身体はびくりと戦慄いて、中のクロロをもきつく締め付けた。


「…いい?」と訊いた後、枕を噛んだままでゼロが小さくコクリと頷いたのを契機に、クロロはフッと笑みをこぼして再び大きく腰をスライドさせた。












「ゼロ、…ゼロ?」

「…ん…」


精も根も尽き果てたかクッタリとベッドに沈むゼロを、上に覆いかぶさってクロロが何度もその名を呼んで起こそうとしていた。

が、朦朧としたゼロはベッドに沈んだまま目覚めることなく。その様子を見てクロロは「これはもう朝まで起きないな…」と、今までの経験則から適当な辺りをつける。

裸のゼロが風邪を引かないよう毛布を肩までかけてやり、クロロ自身は、ベッドから起き上がって脱ぎ捨ててあった黒い服を拾い上げた。


シャツに袖を通しズボンを穿いて、部屋を出――――



そして、月明かりだけがわずかに窓から差し込む暗い廊下で、闇にまぎれた1人の男と並ぶ。





「…ゼロもそうだが―――お前もなかなか趣味が悪いな、ジャズ」


「……何の事だよ」


「最中、ずっと扉の前で聴いていたんだろう?ゼロが知ったら卒倒するぞ?」

「………。」



口を紡いでしまったジャズを横目に見、クロロはフッと笑みを浮かべる。


ジャズが部屋の外に居るのを気配から知ってわざとゼロには思う様に声を上げさせた。

名前を呼ばせ、キスをねだらせ、カラダをもねだらせた。


それをこの男はどんな気持ちで聴いていたんだろうかと。

想像するだけで独占欲を充足させるに足りる。



そんなクロロの思惑を、ジャズはクロロのその黒い笑みから気づいた。悔しさからかわずかに唇を噛んでいた。



「…何で…兄貴はお前みたいな奴が好きなんだろうな…」

「そうだな…。だがその言葉はそっくりお前に返させてもらう。オレとしては、お前がゼロを好いている理由のほうが知りたいな。オレだったら自分と似た顔の奴なんか絶対に愛せない」

「……テメェになんか解られてたまるかよ」

「ほう?」

「言っただろ!?オレはアイツの恋人がお前だなんて絶対に認めねぇって!
 オレには…アイツだけなんだ…。何やってもダメなオレを愛してくれたのは、死んだ母さんと……兄さんだけ…。誰にも渡さねぇ」


「なるほど。…それで?だとすればどうする。ゼロの寝込みでも襲うのか?」

「は、テメェじゃあるまいし…。そんなことするかよ」

「それが嫌われる部類の行為だというのは分かってるんだな?こんなところで出歯亀にいそしまれる方がゼロは嫌がると思うがな」



嫌味っぽくそう言えば、ジャズからはギッと憎悪根深い鋭い睨みつけを貰う。

握りこぶしをきつく握っているからいっそ殴ってくるかとも思えば、ジャズはそれ以上は話しても無駄だとでも言うように『チッ』と舌打ちを残して踵を返した。


「どこへ行く、ジャズ?」


クロロのその一言に、歩む足を止めたジャズ。

目線だけをわずかにクロロへと向けた。


「フッ…。まさかとは思うが―――、今聴いたゼロの愛くるしい声でも思い出しながら部屋で自慰にでも耽るのか?ますます趣味の悪い…」


クロロが意地悪くそう言えば、ジャズはダッと駆け出して廊下の向こうの暗がりへと消えた。



「…図星か?変態だな」


ジャズの後ろ姿を見て勝ち誇ったような笑みを零したクロロは、2人分のコーヒーを淹れにダイニングへ―――

ジャズが走って行ったのとは逆の方向へと足を向けるのだった。
















「兄貴、なんだよそれ…」

「あ、ジャズ。」



夕日の差し込む店内。

レジカウンターに備えてある椅子に座り、ゼロは左手の指全部に古臭いデザインの人形をはめ込んでいるところだった。

背後に立ったオレに気づいたゼロは、「じゃんっ!」などと口で言いながら、人形をつけた左手をオレの前へと開いてみせる。


「これはね、一度ハメたら外せないっていう呪いの指人形なんです!」

「何で自分でつけてんだよそんなもん」

「あははは!やだなぁジャズ、冗談なのに〜」

「………。」


指をピコピコ動かしながらカラカラと笑うゼロ。

歓ぶゼロの顔にオレはなにも言えず、口元の筋肉だけが無意識のうちにヒクついた。



「ったく、オレなんか騙して何が面白いんだ?」

「んー…、クロロさんが『ゼロはもう少しユーモアが足りないな』なんて言うので僕なりにユーモアを加味してみたつもりですけど」

「マジメな兄貴が下手なジョーク吹いたってスベるだけだから止めとけって」

「そうかなぁ…」


そう呟いて、ゼロは指人形を指から外しレジカウンターに並べ直す。

オレはその辺から丸椅子を足で引き寄せて、そのゼロの隣にドカリと座り込んだ。


普段はこんなに無邪気でアホっぽいゼロが、アイツに抱かれればあんなエロイ声出したりなんて今でも信じらんねぇ。




「……兄貴さぁ」

「うん?」

「アイツの事そんなに好きか?」

「…えっ?…アイツ…って?クロロさんのことですか?」

「夕べまた部屋に連れ込んでたろ」

「え!?あ、あ…、みっ、見てたんですか…!?」

「おもくそ声漏れてたっつーの」


呆れたようにそう言えば、ゼロは一気に顔を赤くして縮こまってしまう。


「あ、あれは…その…、クロロさんが…」

「どっちからとか興味ねーし、言い訳しなくていいぞ」

「ううっ…すいません…;」


恥ずかしさのあまり真っ赤な顔で半泣き状態に陥るゼロ。

虐めたくなる気持ちもわかるなぁなどと思いかけて、オレはハッとしてフルフルと頭を横に振った。




「………ジャズ…?」

「あー…、あのな…」



――――困った顔が可愛い。

泣きかけのその顔もソソる。



なのになんであの野郎の居る位置は空いてないんだ。

空いてたらマジソッコーでお前を奪ってやるのに…!!



「あ、あの…ジャズ…?何で怒ってるんですか?;」


あの野郎の余裕の笑みを思い出したらなおさらムカーッと怒りがこみ上げた。

オレの顔を見てかゼロがおろおろと慌てだすので、オレはそのゼロの両肩をがっしりと押さえつける。



あんな奴がお前の恋人だなんて、オレは認めたわけじゃねぇからな!!




「ひぃ…!?なっ、ななななんですかジャズ…」

「なにもしねぇ!怯えんな!……いーか、ゼロ。お前がアイツのこと好きで、アイツもお前のこと好いてて、お前がそれで幸せだってんならその間だけは邪魔しねーでいてやる。
 でもな、この先あの野郎がお前の気持ち裏切るような事があれば、そのときはオレがあの野郎を殺しに行くからな!!」









おわる?


クロロ×ゼロ←ジャズ宣戦布告的な。
黒猫と小猫(姉連載)とネタがかぶってる気がしないけど(爆)

すもも

TopDreamセリフお題03◆「俺だったら自分に似た顔の奴なんて絶対愛せない」
ももももも。