拍手御礼夢ログ ◆アンティークショップ『リアラ』04



大通りからはずれ、少し奥まった小道を歩いていくと、その先にはすすけた木の看板を掲げたとある小さな店がある。


「アンティークショップ『リアラ』」

ニコニコ笑顔の店長が、今日ものんびりとお客さんを待っています。







―――――深夜。

業者市からの帰り、今日競り落とした品物を持って僕は店に帰るところだった。


「…どうしよう…誰かつけてきてるよ…」

少し前から、誰かが僕の後を追うように歩いている。

コツコツという靴の音が、さっきからずっと、僕の歩く速度と同じテンポで響いているから。


僕の店は表通りから外れていて、帰るときにはどうしたって人気の無い裏通りを通らざるを得ない。

前にも一度、裏通りで強盗まがいの暴漢に襲われかけた事がある。


僕は怖くなって、後ろも見ずにゆっくりと歩く速度を速め―――そして走り出した。



もう少しなんだ。

お店まで、あと少し。




そう思って、街頭の下を通り抜けた瞬間。


―――――後ろから、ガッと肩を掴まれた。



「わあっ!!」

「ゼロ。…おいゼロ、逃げるな。オレだよ。―――クロロだよ」


「へ…?クロロ、さん…?」


声を聞いて振り返るとそこには見知った黒髪の男性の姿。


僕はへなへなとその場でしりもちをついた。



「あ、あ、悪趣味ですようクロロさん。ずうっと追いかけてくるなんて…」

「すまない。ずっと声をかけようと思ってたんだが、なかなか機会に恵まれなくてな」

恐怖から開放された安堵からなのか、ぽろぽろと涙がこぼれた。

僕の前にしゃがみこんだクロロさんは、そんな僕をあやすようにゆっくり頭をなでてくれた。



「さ、家に帰ろうかゼロ?そんなところにずっと座ってたら風邪を引く」

そう言って僕に手を差し伸べるクロロさん。

ぐすぐすと涙を拭いて、僕はその手を借りて立ち上がろうとした。


でもどうしても膝に力が入らなくて。


「あ、あれ?」

「どうした?…もしかして腰でも抜けた?」

「クロロさんのせいですよ!」

わーっと大泣きすると、クロロさんは「しょうがないな…」と漏らして僕の体に手を回した。


「―――うひゃあ!?」

「相変わらず軽いな。もう少しゴハン食べれば?」

クロロさんは僕の持っていた荷物ごと、僕を横抱きに抱きかかえた。

たくましいクロロさんの腕は、僕の身体を軽々と持ち上げてしまう。(そんなに軽くないと思うんですけど…)


「恥ずかしいから降ろしてください…」

「そう?誰も見てないよ。それに、言うほど嫌でもないんだろう?」

「う…」

口ごもる僕を見て、クロロさんが楽しそうに笑った。


「ホント素直だなぁ、そういうカワイイところ好きだよ。…じゃあこのままホテルまで連れて行っちゃおうかな」

「ええ!?」

「―――嫌じゃないんだろう?」

「うううー…っ;く、クロロさん、意地悪です…」


「ははっ。大丈夫、意地悪なんかしないって。ちゃんと可愛がってあげるから。…ホントの意味で腰抜かすまでね」

「そういう意味じゃないです!クロロさんの変態ィ!」

「まあまあ。怒った顔もそそるよ、ゼロ」

「ばかー!!」

ぽくぽく叩く僕のこぶしも意に介さず、クロロさんは楽しそうに笑ったまま歩き続け―――結局僕はその日、お店に帰ることができませんでした。




「………兄貴、また朝帰りかよ…」

「す、すいません…;」






つづく


NEXT→エピソード05←PREV(前話へ)

さすがに拍手御礼でエチーまで書くのはなにかなとおもいますた

すもも

TopDream拍手お礼夢ログ◆アンティークショップ『リアラ』04
ももももも。