刹那的快楽主義者◆駄犬5題「しつけ不足です」
※ご注意※

ここから先は裏コンテンツとなっております。

2話を逸脱しない程度ですが少々性的な描写がありますので注意。
今回は特に、クロロではなくフェイ&フィンにイタズラされてますのでそういうの苦手な方はお気を付けください。メニューへの脱出はこちらです。



では大丈夫な方のみどうぞ。













「おう、レヤード。なんだ、今日はずいぶん弱ぇーな。もうダウンか?おい」


赤いロング丈パーカーのフードをすっぽりと頭に被り、テーブルに突っ伏してしまったレヤードに、フィンクスがそう声をかける。

フィンクスの手には缶ビール。テーブルに突っ伏すレヤードの手にもぶどうフレーバーの缶チューハイが収まっていた。



「なんかぁ……オレ…、今日はなんかおかしーみたいィ……」

「まあ、仕事中からお前フラフラして精彩欠いてたもんなぁ。珍しく勘は外すしよ」


昨日手に入れた情報をシャルナークが解析して、お目当てのお宝の移送ルートを2本にまで絞った。

それを2チームに分かれ待ち伏せて襲撃したが、こういう場合いつもなら十中八九『当たり』の方を引き当てるレヤードが珍しく勘を外した。

いつもの引きの強さを見越して同じチームに後から合流した団長のクロロが、驚いてレヤードの顔を二度見したくらいだ。


その後、腹いせに囮の方の移送グループを全滅させた時も、いつもなら本命だろうと偽物だろうと『人を殺せる』というだけで嬉々として一番槍を担うレヤードが、今日は無言のまま三番手。

終わってみれば殺した人数すら同じチームだったフィンクスやノブナガのそれに及ばず。


図らずも本命を襲撃することになったシャルナークとフェイタン、フランクリンまでもが、お宝を手に合流した後、物珍し気なものを見る目でレヤードを見て。

さらには仕事の打ち上げと称して酒を手にレヤードの元を訪ねてみれば、いつもならば大体酒盛りの最後までうるさいぐらいにケラケラと陽気におしゃべりをしているはずのレヤードがチューハイ1本で真っ先に潰れてしまった。

「お前、マジで大丈夫かよ?」とフィンクスが立ったままビールを煽りつつ、テーブルに突っ伏すレヤードの後頭部を見下ろす。



「レヤードが精彩欠いてない時、むしろ今までに一度でもあたか?行動はいつも気分まかせの無茶苦茶。整合性取れてたことないね。
 この方が静かで良いよ。酒の減りも少なく済む。放とくが良いね」


レヤードの手に収まっていたぶどう缶チューハイをサッと取り上げながらフェイタンが素っ気なくそんなことを言う。

そしてまだ半分以上残っているそれを「無駄になるね」と口にするのを、フィンクスが「お前、いつも思うがそんなもんよく飲めるな…」と酒の甘さの事なのか間接キスの事なのか、それともその両方なのか。呆れた顔で指摘するがフェイタンには軽く無視された。



「つーかレヤードお前、マジで熱とかあんじゃねーか?顔赤けーぞ?」

「ハハ、馬鹿でも風邪ひくことあるか。面白い冗談ね。単なる飲み過ぎ違うか」


1本も飲み切ってねーのに"飲み過ぎ"はねーよと笑うが、その後いつものようにキャンキャンと小うるさく犬が噛みついてくることもなく。

横目にちらりとレヤードを見れば、しーんと静かに伏せたままなので、フィンクスとフェイタンは拍子抜けしたように「……おい、お前本当に大丈夫か?」とレヤードの周りに集まった。



「昨日…おとといにねぇ…?団長が薬くれたんだけどォ…。それ飲んでから、ずっとオレ…なんか変でぇ……」

「…薬?何の薬だよ」

「んーとぉ…。なんかぁ…、オレがセックス…したくなるようにって……。びやくって言ってたかなぁ…」


「セッ……、『媚薬』…って、お前な…;」

「……その媚薬、団長から貰たのか?ならそれ、おそらくワタシの渡した薬ね。何故そんなもの団長はレヤードに飲ませたか」

「つーか何のためにお前もそんな物持ってんだよ…」


淡々と言うフェイタンに、フィンクスが汗を垂らしつつ突っ込む。

するとフェイタンはニヤリと目を細め嗜虐的な笑みをフィンクスに見せつけてくる。


「そんなのもちろん使うために決まてるね。使用後すぐよりも、後の方が面白い薬よ。興奮期と沈静期しばらく交互に波続いて、2、3日は後引く。動けないよう椅子か何かに拘束しておけば、愉快な見世物の出来上がりね。
 だから団長が欲しいと言てきたとき、ワタシ先日の情報屋、女なのかと思てたね。大抵の女はそれで何もかも喋り尽くす。
 まさか情報屋が男で、薬はレヤードに使うとはさすがにワタシも予想外だたが」

「ああ゛っ!?んなもんなんで団長はレヤードなんかに使ってんだよ!呆れて物も言えねー…」

「だからワタシもそう言たね」


この場に居ないクロロの顔を思い浮かべ、フィンクスがぼやく。

まさかこの間の仕返しにってんじゃねーだろな…と、思い当たりそうな理由を探ってみるが、ばかばかしすぎて途中で止めた。


「どーすんだよこれ…」と熱っぽい顔で伏せているレヤードを見て、フィンクスは大きくハア、とため息を吐く。



「でもぉ……オレ、それ全部…吐いたんだけどぉ〜〜…?」

「そんなもの吐くまでの時間によるよ。だからそんな中途半端な反応か?ちゃんと飲んでればもと無茶苦茶になるはずね。それとも酒のせいで切れていた効果が増幅か反復かされたか?…興味深いね」


言いながらフェイタンは突っ伏していたレヤードの頬にぺたりと手のひらを重ね、その顔を少し横へと向けてやる。

レヤードは表情こそ穏やかに目を閉じていたが、触れたその頬は熱く、"朦朧としている"といった表現の方が合うだろうか。

もしかしたら仕事中から、薬の効果が原因で酩酊状態にあったのかもしれないとフェイタンは予測をつける。



「薬吐いて酒飲んでこれなら、薬と酒と一緒に飲ませたらどうなる事か…。それは今まで試したことはなかたね。今度使う時にでも試すとするよ。中々楽しい効果が得られそうね」

「お前は、ホンット…。マジでよ…」


口出しする気はねーけどほどほどにしとけよ、とフィンクスが吐き捨てるように零す。


「何か?文句でもあるか?お優しい事ね。欲しいならフィンクスにも用意してやろうと思てたが」

「いるかよ。オレはヤるならシラフの女が良いぜ」

「そうか?どんなに気の強い女も1時間であらゆるプレイ悦んでするようになるいうのに。相変わらず顔に似合わず純情ね」

「うるせぇよ!純情じゃなくて健全なだけだっての」


ムキになるフィンクスをニヤニヤといやらしくあざ笑いながら、フェイタンはテーブルの上のレヤードに向き直る。

そして「こち向くね、レヤード」とその顔に近づいた――――かと思ったら。


「んぇ…?」

「……って!!おい、フェイ!?」


フィンクスのぎょっとしたようなそんな声も無視し、フェイタンはレヤードの口に自身のそれを重ねる。


舌を押し込み、異変に気付いたレヤードが体を起こして反射的に逃げようとするのを胸元を掴んで力づくで押さえ、舐めるように深く何度も口づける。

酒交じりの唾液を舌先に絡めてねっとりとそこに吸いつくと、レヤードが朦朧とした意識の中、観念したかのように口を開けて舌を見せてきた。

その姿にフェイタンはニィッと笑みを深め、もう一度それに自身の舌を押し付けるようにして口づけた。



抵抗なのか、「もっと」という懇願なのか、レヤードの手が力無くフェイタンの二の腕を掴む。


『おいおい…;』とフィンクスが呆れた表情で見ている中、いやらしく舌を絡める水音と吐息交じりの声を何度も零しながらそのまましつこくキスが続き。



「…ぁ…はっ……、もっ…な、にィ…これぇえ……。なんか…っ、フェイのキス……なんかすっご……」

「…レヤード。団長には薬使て何されたか?言うね」


口と口との間に垂れた唾液を手の甲で拭って、蔑むようないつもの目線でフェイタンがレヤードを見下ろし問いかける。

そして力が入らないのかテーブルに再び倒れて上手く起き上がれないでいたレヤードの身体を、わざわざ起こして椅子の背にもたれさせた。


「オレぇ…酒飲んでて……途中から…よく、わかんな…。なんか、押し倒されて…あちこち触られたり、胸とか……。殺すの我慢して……、そしたら気持ちいいの…教えてやるって……。オレ、女の子じゃないからさぁ……胸板触っても…おっぱいは無いん…だけどぉ……」


「ハハ。その図体でレヤードがネコだたか?団長も物好きね」

「ねこぉ…?犬は、よく言われる…けどさ……。てか……何してんの…フェイタン…?」

「ん?何、少し楽にしてやろう思たね」


言う間にフェイタンは、レヤードの着る赤いロングパーカーの前を留めていたファスナーをジィッと全開にしてしまっていた。

パーカーの下は黒のタンクトップとカーゴパンツ。男っぽい顔つきと体格の割には、長い脚を大きく開いて椅子の背にもたれている姿は、酩酊状態なのもあってか妙に色っぽく見えなくもない。



「ああ、いい格好ねレヤード。もう少し足開く良いよ」

「んん…?」


朦朧と目を閉じ、脚を開いて椅子に浅く腰掛けていたレヤード。

フェイタンの声をどう解釈したのかモタモタと椅子に手をつき少し深く腰掛け直した。


それでもだらしなく椅子にもたれたままのレヤードを、フェイタンは懐から取り出した携帯端末で写真に収める。



「ぇえ〜…?なんか今……、フェイタンなんか今撮ったぁあ〜…?てか……なんかチンチンムズムズするんですけどぉ…」

「そうか。それは良い兆候ね。もと飲むか?」


言ってフェイタンは先程レヤードの手から奪ったぶどうチューハイを煽り、座るレヤードの前へと立って―――もう一度口づけた。

口に含んだものを無理やりにレヤードの口へと流し込み、そのまま再び舌を押し込んでキスを貪る。


「あのなぁ…」とフィンクスが、頭痛を抑えるかのように眉間のしわを指で伸ばしながらに零した。



「……何か?フィンクスも混ざりたい言うか?言うなら仕方なし、混ぜてやらいでもないね」

「言ってねぇだろ。さっきからお前、何やってんだよ…」

「そんなもの見ればわかる。それともフィンクスはキスもわからないほどの純情乙女か?」

「誰が乙女だコラ!?」


ニヤニヤとした挑発に対し拳を振り上げフィンクスがキレるも、フェイタンはそれを無視してレヤードに向き直った。


「レヤード。…レヤード、目を開けるね」

「う……あ……」

「レヤード。この先は?キスの次は何されたいか?言うね」


額を合わせ、そこに在る翠緑に間近に問う。

朦朧としたままあうあうと上手く答えられずにいたレヤードの薄着の上から、突起を探って胸板に手を這わすと「だからさぁあ……なんでみんな乳首探すのぉ……?くすぐったぃい…」と力無い抵抗を見せる。


「ならどこを触って欲しいかちゃんと言うね。……ここか?」


とフェイタンはレヤードの、主張を始めていた下半身の盛り上がりを触れるか触れないかの距離で指差す。


「ふ…、ぅえ……フェ、ぃ…イ…?」

「言うね、レヤード。一言言えば、きとフィンクスが上手に楽にしてくれるコトね」

「―――だからなんでオレだよ!!?こっちに振って来るんじゃねーよ!意味わかんねぇ!」


「……『意味』?そんなもの決まてるね。レヤードのギロチン暴走したとき、効率良く防げるのは強化系のフィンクスかウボォーギンだけ。今ウボォーギンは居ないから…、この場でまともにレヤードの相手できるのはお前だけね、フィンクス。薬抜けるまで少し相手してやる良いよ?」

「はあ!?なんでそうなるんだよ!?お前がそこまでやったんだからお前がやってやりゃ済む話だろがフェイ。お前のお気に入りなんだろ!?そいつ」

「そうだが。でもワタシの能力、カウンターね。レヤードのギロチンとは相性最悪。暴走状態のままやり合えばレヤードかワタシ、どちらか死ぬよ。シラフでないレヤードとはそれこそこれ以上はやる気しないね」

「…お前な。つーかコイツの場合シラフの方が……。まあいい。
 なら最初から放っといてやりゃ良かったじゃねーか。テメーでそこまで刺激しといてよく言うぜ」

「………チッ。まどろこしい奴ね。早くここ来て、ワタシにレヤードの面白い姿を撮影させるね」

「お前なんだかんだ屁理屈こいて、結局それが本音だろ!舌打ちすんじゃねぇ!」


言いあいの末、目を吊り上げフィンクスがビシッとフェイタンを指差しつつ突っ込む。

それに対しフェイタンは「ハア、」とわざとらしく聞こえるようにため息を吐いて、再びゴソゴソと懐から何かを取り出した。



「なら仕方ないね。もう1錠飲ませて、レヤード自身にヤラせるとするよ」


取り出した錠剤を1錠、朦朧と椅子にもたれているレヤードのその半開きの口の前にぶら下げつつ、フェイタンはフィンクスに向かってニヤリと意味深に目を細める。


「もう1錠飲めばギロチン使えるだけの頭も溶ける。…ほら、レヤード。飲むね。そうすれば、ワタシがこの手でお前をめちゃくちゃに犯してやるね」


そう言ってフェイタンは錠剤をレヤードの舌に乗せ、手で無理矢理に口を閉じさせた。


「…ほら。飲み込むね」


とそこへさらに鼻をつまんで薬を嚥下させようとしたフェイタンの腕を、後ろから誰かのゴツい手が掴んで止めてきた。


「…何故止めるねフィンクス?」

「止めんなもクソもねーだろ。やめとけって。まだおんなじ建物ん中に団長がいるんだぞ?そいつの飼い主様がよ」

「お前が動かないからワタシが代わりにしてやろう思ただけね」

「だからって薬はやめとけっつってんだよ」

「…フ、お優しい事ね」


肩をすくめ、愉快そうに笑ってフェイタンがレヤードの元から離れる。

その後ろ姿に「ったく…」と零して、それからフィンクスは「オラ、出せよ」とレヤードの口に指を突っ込んで唾液に濡れた錠剤を取り出した。



そして「ほれ、ビールで悪ィが少し口ゆすげ」と、先ほど自身が飲んでいた缶ビールを傾けてレヤードの口へと中身を流し込む。


「…げぶっ!?ゲホッ!うぇえ…、なにこれ……にが…。なーに、ぃい……?何飲ませたのぉ…フィンクスぅ……ゴホッ」

「ビールだ。これでちょっとは……」


冷めたかよ?とビールを吐き出すレヤードを見るが、むせて潤んだ翠緑にすがるような目線で見返されフィンクスは言葉を失った。

そんなフィンクスを離れたところからフェイタンがニヤニヤと楽しそうな目つきであざ笑う。


「いつもレヤードと一緒にエロ動画、一番よく見てるのはお前ねフィンクス。動画の次はきちんと自慰の方法も教えてやるべきね」

「なんでだよ。1発抜くぐらい自分でテキトーに覚えろってんだ…。団長やお前と違ってオレはそーいう趣味ねーんだよ。ったく…」


などとため息をつきながらもフィンクスは、辛そうに呼吸を早めているレヤードの横に立った。


「おいレヤード。めんどくせーからギロチンは出すんじゃねーぞ?」

「そんなこと…、い、言われてもぉ……、っぅあ!?フィ、ン…っんん、どこ触って…っ!?…っあ…、ちょ…っ、なぁあ……」


椅子に座るレヤードの背に腕を回して身体を支えてやり、フィンクスはもう一方の手をレヤードの内股へと這わせた。

布の上からそれとわかるモノの形をなぞり、擦り上げるように撫で扱くと、レヤードが力無い声と共にびくりと反応して身体をくの字に折る。



「ハハ、そんな趣味無い言う割に、なかなか手慣れた手練ねフィンクス」

「うるせーよフェイ!つーかお前、早速撮ってんじゃねーよ!?単に見てぇだけじゃねーかお前!?」


遠目から携帯のカメラを構え、目を細めて笑うフェイタンを反射的に怒鳴りつけたフィンクス。

不機嫌そうに額に青筋を浮かべたまま、「つーかあんなキスぐらいでこんな硬くしてんじゃねーよ、このクソ童貞が…。おら、ちゃんと自分でも出来るように見て覚えとけ」と、フィンクスはレヤードの背を支えていた方の手で今度はグイッとその後頭部を押さえつけた。


声に誘われぼんやりと開いたレヤードの瞳に映ったのは、突っ張った下半身のジッパーを下げようとしているフィンクスのゴツイ手。

慌ててレヤードは、ヘロヘロの腕でフィンクスの身体を押しのけようとする。


「まっぁ…、ちょっと…待って…って…、自分で…っえ、出来るからぁあ……。触んな…ぁ、やめてってばぁあ…」

「はあ?ならさっさと手ェ出せよ、アホか。オレだってお前のモンなんか触りたくねーわ」

「んぅ…」


言われてレヤードはモタモタと自身の股ぐらを手で掻き始める。

じれってぇな、とフィンクスはレヤードの腕を掴み、その手で下着をめくらせて、出て来たモノにその手を押し付ける。


「オラ、自分で気持ちイイように好きに扱けよ。カリとか筋とかここんトコ指で擦って」

「…あ、あっ、…んっ、フィンっ……あ、待っ…、ちょ…、あッ」


レヤードの手を自らの手で上から押さえて、多少乱暴な手つきでそれを扱く。

先端に指の腹を押し当てながら雁首をなぞるようにレヤードの手ごと竿を何度か擦り上げるととろりと先走りが溢れて来た。


「ちょっ、ちょ…、フィンクスっ、あ…!待って、なんかオレ、もっ…もう、」

「あ?『もう』なんだよ。イクのか?それともギロチン我慢できねーか?お前、ここでちゃんと我慢できねーと、お前のその大事なモン根元からチョン切れるぜ?」

「ちがぁ、あぁ…!もっ、イッ……おれっ、…ひっ、んっ!」

「……おー、イッたな。汚ねっ。つーか早ぇ」


背を丸め、びくびくと手の中で射精したレヤードを「は、」と嗤いながら、フィンクスはチリ紙代わりに床に転がっていたトイレットペーパーを拾い上げ、巻き取ったそれで手を拭く。

そして「おらよ。お前も拭け」と俯くレヤードの頭の上にトイレットペーパーを丸ごと乗せるが――――


眉根を寄せ息をつくレヤードの手元はまだゆるゆると動いており。

手の中のそれは硬く勃起したまま。



「―――はあ!?お前、1発抜いてまだ勃ちっぱかよ!?どんだけ薬効いてんだ!?」

「ハハ。なにもかも未経験、殺すのしか知らないレヤードには自慰すら刺激が強すぎたかもしれないね」

「なんだよそりゃ…。ったく、めんどくせーな!オラ、立てよレヤード!もうプロに頼めプロに!風俗行くぞ!女とヤラせてやるから!筆下ろしして来いよ!」

「うぅんんぅー…。オレ、女の子は…。てか…、あっ、も、やぁあ…、もぉ触んないでよォ…フィンクスぅ…」

「うっせーバ〜〜カ。チンコしまえ!」


レヤードの身体を椅子から抱き起こし、ずり下がっていた服を上下とも引き上げたフィンクス。

脚に力が入らないのか、レヤードはそのフィンクスの胸に身体を預けるように抱きつきながらなんとか立っている状態だった。


「風俗か。嬢1人死体になるだけで済めば良いが。最悪皆殺しね。イイ見世物に遭えそうだからワタシも行…」



と……そこまで言って、フェイタンは気づく。


こちらに気取られないためにか、音を立てないよう至極ゆっくりと―――部屋のドアノブが回っていることに。




「……フィンクス。もう手を引くね。どうやらそいつのご主人様が来たようね」

「あ?」


フェイタンが言い終えるや否や、キィ――……と部屋の扉が静かに大きく開け放たれた。

顔を上げたフィンクスの三白眼に映ったのは、廊下の暗がりに立つクロロの姿。




「……レヤード。何をしている?」

「あ…ぅ…?だんちょぉ…?」


聞き馴染んだ声を耳にして、レヤードもまたフィンクスの身体にもたれた格好のままで顔を上げる。

そこにはいつもの黒コートに身を包みオールバックに髪を撫でつけたクロロが、仕事中さながらの冷酷な目つきでレヤードを睨んでいた。


「仕事中から様子がおかしかったから来てみれば……。
 レヤード。お前、オレとはまともにキスも出来ないくせに、フィンクスの手でならイクまで自慰も出来るのか?
 オレの事はギロチンで楽に害せても、強化系のフィンクスならば身を任せられると?オレを嘗めてるのか?それともオレのしつけが悪かったとでも言うのか?」

「うぇえ…?なんで…、団長怒ってるの…?」

「なんだ、わからないのか?」



ゴツゴツとブーツの音を床に響かせながら、クロロがレヤードの元まで歩いてくる。


刺すようなクロロの視線とやけに攻撃的に放たれるクロロの黒いオーラにさらされ、ぞわりとレヤードの背筋が粟立った。

同時に、『何故クロロはこんなにも怒っているんだろう』とレヤードは困惑した表情で、フィンクスの身体を盾にそろりと隠れつつクロロを見る。


―――その様がさらにクロロの機嫌を下げることになる事にも気付かずに。



「…レヤード。」

「ひ。……な、なにィ?だんちょ…」

「あーうるせえ、オレを盾にすんじゃねーよ。うっとおしい」


と、クロロとレヤードの間に挟まれていたフィンクスが、呆れたようにため息をつきながらレヤードの首根っこを捕まえてクロロの前へと押し出してくる。


「つーかお前も、こんなことでマジギレしてんじゃねーよ団長。様子おかしい事にも気付いてたんなら、お宝持ってさっさと部屋引っ込まないでちゃんと見といてやれってんだ。お前が最初に始めた事だろーが?」

「……なんの事だ?」

「ナニ勘違いしてんのか知らねーが、お前がコイツに変なもん飲ませなきゃコイツがこんなになることも無かったんだよ!テメーでおかしくしといてキレてんじゃねーよ。
 お前が始めたんだから、最後までお前が責任もって面倒見てやれよ。お前の犬だろーが」


そう言ってフィンクスは前に押し出したレヤードのその背を、さらにドンと押してクロロの胸へと押し付ける。

蹴つまずいたレヤードの身体をクロロは難なく抱き留めたが、そうすることで初めてクロロはレヤードの身体が熱を持ってる事にも気がついた。



「…あの薬。レヤードに使うつもりなら最初からそう伝えておいて欲しかたね、団長」


フェイタンにもそんな風に言われ、クロロもやっとその意味と、今の状況を察したようだった。



「ああ…、なるほど。コイツの様子がおかしかったのもあの薬の効果が切れずにまだ影響していたという事か…。ならレヤードを責めるのも筋違いだな。
 ……世話をかけた。行くぞレヤード。立て。ついて来い」


合図のように背を叩き、クロロはレヤードの身体を支え無しで立たせる。

ふらりと1歩、間をおいて立ったレヤード。


黙って俯いていたかと思ったら、急にボロボロと泣き出したのでクロロもフィンクスもぎょっと驚いて目を張った。



「ごめん…、ごめん団長……。今日オレ…、なんかずっとヘンで…。お前のためにお宝…手に入れられなかったし…、殺すの……お前はオレに用意してくれたのに……。今日は全然……、約束も…守れなくて……。
 お前が怒るのも当たり前なのに、オレ……。だからごめん…。ごめん、ごめんごめん…。許して…。言うこと聞くから…。オレ、お前の怒った顔…やだよぉ……クロロ……」


「謝るな。……悪かった。大丈夫だ」


いつもならば有り得ないほどの情緒の不安定さを察し、クロロは安心させるようにフッと―――困ったような笑顔を浮かべ、べそをかくレヤードの頭をポンポンと撫でた。

それから「来い」と割合優しくレヤードの腕を引き、部屋を出ていく。



ドアが閉まるのを見計らい、『めんどくせー奴ら…』とフィンクスは一つため息を吐く。


そして「……お前、1人だけ上手い事逃げやがって」とさっさと携帯カメラを隠したことだろう、すまし顔で椅子に座っているフェイタンに向かって不平を零した。

するとフェイタンはそれに対して「そんなの、気づかないフィンクスが悪いね」と悪びれもない素振りで言い放ち。

懐から撮影中のままに隠した携帯端末を取り出してシレーッとした顔で動画の編集を始めるのだった。








つづく

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フェイ<「ギロチンの切り口は好きね」
フィン<「お前ぜってーそんだけじゃねーだろ…」

すもも

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ももももも。